眼が2つあれば生きる

生きるとは、言いかえれば「絶対ぜったいに相手に取られない」と言う意味です。生きていれば、その石はたとまわりをかこまれてしまっても、取られることがありません。ぎゃく死ぬというのは、取られる運命にあることをいいます。

生きるためには「2眼」を作る

下の図を見てください。このような形の時、次に黒がAと打てば白石を取れます。

真ん中が1つだけあいている、ドーナツのような形をした白石の周りを黒石が囲っている図。盤面図、白4の4、白5の4、白6の4、白6の5、白6の6、白5の6、白4の6、白4の5。黒4の3、黒5の3、黒6の3、黒7の4、黒7の5、黒7の6、黒6の7、黒5の7、黒4の7、黒3の6、黒3の5、黒3の4。Aの場所、5の5

黒がAの場所に打って白石を取った図。進行手順、1手目・黒5の5に打って、白石を盤上からすべて取り上げる

では、下の場合はどうでしょうか。黒は次にAの所へ打とうとしても、ここは石を打つと同時に相手にかこまれてしまう場所になるので、打つことができません。(くわしくは相手にかこまれる場所には打てないのページをごらんください。)
上の図のように、次に白石を取れるという時には打つことができるのですが、この場合はBの所が1つ空いているので取ることができないのです。先にBのほうから打とうとしても同じことです。

AとBの2カ所があいている白石があって、その周りを黒石で囲んでいる図。盤面図、白3の4、白4の4、白5の4、白6の4、白7の4、白7の5、白7の6、白6の6、白5の6、白4の6、白3の6、白3の5、白5の5。黒3の3、黒4の3、黒5の3、黒6の3、黒7の3、黒8の4、黒8の5、黒8の6、黒7の7、黒6の7、黒5の7、黒4の7、黒3の7、黒2の6、黒2の5、黒2の4。Aの場所、4の5。Bの場所、6の5おねえさんのイラスト、「AとBの所は次に取れるときしか打てないよ」

つまりこの形は、黒からAにもBにも打つことができないので、たとまわりを全部かこんだとしても、絶対ぜったいに取ることができないということになります。これが「生きる石」です。生きる石には上のようにAとBの2つの部屋があり、これをといいます。このを2つ作れば生きることができます。

なぜ生きるのがいいの?

たとえば下の図は上に黒の陣地じんち、下に白の陣地じんちができています。それぞれのを数えてみると、黒が36もく、白が27もくになっていますね。すると、この場合は黒の陣地じんちのほうが多いので、黒の勝ちとなります。

黒の陣地を緑のエリア、白の陣地をピンクのエリアで表している図。盤面図、黒1の5、黒2の5、黒3の5、黒4の5、黒5の5、黒6の5、黒7の5、黒8の5、黒9の5。白1の6、白2の6、白3の6、白4の6、白5の6、白6の6、白7の6、白8の6、白9の6。黒石よりうえの部分が黒の陣地。白石よりしたの部分が白の陣地

黒のじを緑の点、白のじをピンクの点で表して、じの数を数えている図。盤面図は上と同じ。黒のじ、1の1、2の1、3の1、4の1、5の1、6の1、7の1、8の1、9の1、1の2、2の2、3の2、4の2、5の2、6の2、7の2、8の2、9の2、1の3、2の3、3の3、4の3、5の3、6の3、7の3、8の3、9の3、1の4、2の4、3の4、4の4、5の4、6の4、7の4、8の4、9の4、合計36目。白のじ、1の7、2の7、3の7、4の7、5の7、6の7、7の7、8の7、9の7、1の8、2の8、3の8、4の8、5の8、6の8、7の8、8の8、9の8、1の9、2の9、3の9、4の9、5の9、6の9、7の9、8の9、9の9、合計27目。黒の方が9目多いので黒の勝ち

ところが下のように黒の陣地じんちの中に、白の生きた石ができたとするとどうなるでしょうか。

黒の陣地の中に、めが2つあって生きている白石がある図。盤面図、黒1の5、黒2の5、黒3の5、黒4の5、黒5の5、黒6の5、黒7の5、黒8の5、黒9の5、黒2の4、黒2の3、黒2の2、黒3の1、黒4の1、黒5の1、黒6の1、黒7の1、黒8の2、黒8の3、黒8の4。白1の6、白2の6、白3の6、白4の6、白5の6、白6の6、白7の6、白8の6、白9の6、白3の2、白4の2、白5の2、白6の2、白7の2、白7の3、白7の4、白6の4、白5の4、白4の4、白3の4、白3の3、白5の3

黒のじを緑の点、白のじをピンクの点で表して数を数えている図。盤面図は上と同じ。黒のじ、1の4、1の3、1の2、1の1、2の1、8の1、9の1、9の2、9の3、9の4、合計10目。白のじ、1の7、2の7、3の7、4の7、5の7、6の7、7の7、8の7、9の7、1の8、2の8、3の8、4の8、5の8、6の8、7の8、8の8、9の8、1の9、2の9、3の9、4の9、5の9、6の9、7の9、8の9、9の9、4の3、6の3、合計29目。白の方が19目多いので白の勝ち

白は27もくと、上の生きた石の2もくを合わせて全部で29もくあります。黒はたったの10もくしかありません。今度は白の勝ちになりました。
つまり、相手の陣地じんちの中で自分の石が生きてしまえば、相手のをたくさんらすことができるのです。

ただし、下のようにが1つしかない場合は要注意ようちゅういです。1がんだと相手の石にかこまれると全部取られてしまいます。さらに取られた石はアゲハマとなり最後さいごに自分の陣地じんちめられてってしまいます。

めが1つしかない白石の周りを黒石で囲って、白石が死んでいることを示す図。盤面図、白1の6、白2の6、白3の6、白4の6、白5の6、白6の6、白7の6、白8の6、白9の6、白4の2、白5の2、白6の2、白6の3、白6の4、白5の4、白4の4、白4の3。黒1の5、黒2の5、黒3の5、黒4の5、黒5の5、黒6の5、黒7の5、黒8の5、黒9の5、黒3の4、黒3の3、黒3の2、黒4の1、黒5の1、黒6の1、黒7の2、黒7の3、黒7の4

めが1つしかない白の死んだ石を囲って取る図。進行手順、1手目・黒5の3に打って、白4の2、白5の2、白6の2、白6の3、白6の4、白5の4、白4の4、白4の3の石を取る