ここからは対局の終わり方について解説します。囲碁の対局が終わることを、終局といいます。終局するためには、まずお互いの陣地と陣地の境界線を、はっきりさせる必要があります。
「境界線を引く」とは簡単に言えば石と石をつなぐという意味です。例えば下の左図のように、石と石のすきまをあけて大まかに囲っていた場合、まだお互いの陣地はあいまいで不完全です。しかし右図のように味方の石同士をつなげると、境界線がはっきりして陣地が確定されます。
下の図は、とある実戦の終局間近の様子です。まだ対局の途中ですが、黒が右側に、白が左側に陣地を囲っています。
この場面、よく見ると下の赤丸印のところに陣地のすきまがあるのが分かりますか?ここに黒と白が順番に石を打って、すきまをなくしましょう。
まず、黒1と打ちます。
続いて白2と打って、黒石をアタリにしました。
アタリの石を取られないように黒3とつなぎます。
ここで白4と打つのが大事なポイントです。
もし上の図で白4を打たないと、下のように黒1とアタリにされて、白が逃げても端に追いつめられて取られてしまいます。なので白は上図のように守りました。
陣地の境界線を引くときは、なるべく自分の陣地を広げながら、相手の陣地をせまくするように打ちます。例えば下図のときに、黒は左のように打つよりも、右のように打つほうが相手の陣地が少しせまくなるのです。
続いて黒5と打ちます。
白6と打って黒石をアタリにしました。
黒7と打ってアタリの石をつなぎます。
白はさっきと同じように白8につないで守ります。これで下のすきまがなくなりました。
黒9と中央の石のすきまに打ちます。
白10につないで中央のすきまをなくしました。
これで黒と白それぞれの石が1本の線のようにつながって、陣地と陣地の境界線がはっきりしました。終局まであと少しです。