陣地の境界線を引く

ここからは対局の終わり方について解説かいせつします。囲碁いごの対局が終わることを、終局しゅうきょくといいます。終局するためには、まずおたがいの陣地じんち陣地じんち境界線きょうかいせんを、はっきりさせる必要ひつようがあります。

ここがポイント!

境界線きょうかいせんを引く」とは簡単かんたんに言えば石と石をつなぐという意味です。たとえば下の左図のように、石と石のすきまをあけて大まかにかこっていた場合、まだおたがいの陣地じんちはあいまいで不完全ふかんぜんです。しかし右図のように味方の石同士どうしをつなげると、境界線きょうかいせんがはっきりして陣地じんち確定かくていされます。

黒と白が石の間をあけて陣地を囲っている図。盤面図、黒6の1、黒6の3、黒6の5、黒6の7、黒6の9。白4の1、白4の3、白4の5、白4の7、白4の9

黒と白が石をつなげて陣地を囲い、黒の陣地を緑のエリア、白の陣地をピンクのエリアで表している図。盤面図、黒6の1、黒6の2、黒6の3、黒6の4、黒6の5、黒6の6、黒6の7、黒6の8、黒6の9。白4の1、白4の2、白4の3、白4の4、白4の5、白4の6、白4の7、白4の8、白4の9。黒石より右の部分が黒の陣地。白石より左の部分が白の陣地

まずは味方同士の石のすきまをなくそう

下の図は、とある実戦じっせんの終局間近の様子です。まだ対局の途中とちゅうですが、黒が右側みぎがわに、白が左側ひだりがわ陣地じんちかこっています。

終局を説明するための図。盤面図、黒3の4、黒6の2、黒6の3、黒6の4、黒6の5、黒5の8、黒5の7、黒6の7、黒7の7、黒8の7、黒9の7。白5の2、白5の3、白3の3、白4の4、白4の5、白3の5、白4の7、白4の8、白8の8、白9の8

この場面、よく見ると下の赤丸じるしのところに陣地じんちのすきまがあるのが分かりますか?ここに黒と白が順番じゅんばんに石を打って、すきまをなくしましょう。

石と石のすきまに赤丸印をつけている図。盤面図は上と同じ。赤丸印の場所、5の1、6の1、4の6、5の6、4の9、5の9

まず、黒1と打ちます。

進行手順、1手目・黒5の1

つづいて白2と打って、黒石をアタリにしました。

進行手順、2手目・白4の1

アタリの石を取られないように黒3とつなぎます。

進行手順、3手目・黒6の1

ここで白4と打つのが大事なポイントです。

進行手順、4手目・白4の2

白の失敗図

もし上の図で白4を打たないと、下のように黒1とアタリにされて、白がげてもはしに追いつめられて取られてしまいます。なので白は上図のように守りました。

黒にナナメの傷のところを切られた想定図。仮の進行手順、1手目・黒4の2、2手目・白3の1、3手目・黒3の2、4手目・白2の1、5手目・黒2の2、6手目・白1の1、7手目・黒1の2に打って、白1の1、白2の1、白3の1、白4の1の石を取る

ここがポイント!

陣地じんち境界線きょうかいせんを引くときは、なるべく自分の陣地じんちを広げながら、相手の陣地じんちをせまくするように打ちます。たとえば下図のときに、黒は左のように打つよりも、右のように打つほうが相手の陣地じんちが少しせまくなるのです。

黒石をうえにまっすぐのばして境界線を作った想定図。盤面図、黒3の4、黒6の2、黒6の3、黒6の4、黒6の5、黒5の8、黒5の7、黒6の7、黒7の7、黒8の7、黒9の7。白5の2、白5の3、白3の3、白4の4、白4の5、白3の5、白4の7、白4の8、白8の8、白9の8。仮の進行手順、1手目・黒6の1、2手目・白5の1

黒はこう打つよりも

黒石を左上にはねて境界線を作った図。盤面図、黒3の4、黒6の2、黒6の3、黒6の4、黒6の5、黒5の8、黒5の7、黒6の7、黒7の7、黒8の7、黒9の7。白5の2、白5の3、白3の3、白4の4、白4の5、白3の5、白4の7、白4の8、白8の8、白9の8。実際の進行手順、1手目・黒5の1、2手目・白4の1、3手目・黒6の1、4手目・白4の2

こう打つ方が2目得だよ

つづいて黒5と打ちます。

進行手順、5手目・黒4の9

白6と打って黒石をアタリにしました。

進行手順、6手目・白3の9

黒7と打ってアタリの石をつなぎます。

進行手順、7手目・黒5の9

白はさっきと同じように白8につないで守ります。これで下のすきまがなくなりました。

進行手順、8手目・白3の8

黒9と中央の石のすきまに打ちます。

進行手順、9手目・黒5の6

白10につないで中央のすきまをなくしました。

進行手順、10手目・白4の6

これで黒と白それぞれの石が1本の線のようにつながって、陣地じんち陣地じんち境界線きょうかいせんがはっきりしました。終局まであと少しです。